

収量倍増 来年には新酒販売

地球温暖化の影響で米の収量や品質低下が課題となる中、県は、暑さに強い酒米の新品種「
酒米の県独自の品種は、県農業試験場(当時)が開発した「吟吹雪」がある。高品質な酒造りに適する「山田錦」と、収量が安定している「玉栄」を掛け合わせ、1999年に品種登録された。作付面積を増やしていたが、近年は夏場の高温で稲の育ちが悪く、収量が大幅に落ち込んでいる。
県独自の品種で醸造したい酒蔵のニーズを満たせなくなりつつあり、県農業技術振興センター(近江八幡市)が、吟吹雪に収量が多い「吟おうみ」という品種を掛け合わせ、2016年から新品種の育成を始めた。
22~25年の試験栽培では同じ面積で吟吹雪の倍近い収量があり、酒の仕上がりを左右する米粒の白い部分「
14日には酒蔵や農家の関係者が県庁で新品種の名称を発表。75件の応募から選んだといい、滋賀らしさを「湖」、味わいや香りの広がりを「響」で表し、醸した酒が世界に響き渡るように、との願いが込められている。
24年から米価が高騰した「令和の米騒動」によって単価の高い食用米の作付けが進み、県内でも25年には酒米作りから離れた農家もいた。同年産の吟吹雪や玉栄の価格は前年の約1・8倍になったといい、湖響への期待は大きい。
酒米の生産者でつくるJAグリーン近江(東近江市)酒米部会の熊木喜一・副部会長は「農家が待ちわびた新品種で、作りたいという声も多い。先が見える酒米作りができるようになる」と話し、県酒造組合の松瀬忠幸会長は「収量が確保できれば、酒蔵の安定した経営にもつながる。湖響で作った酒が愛されるようにしたい」と意気込んだ。
今年は同部会が湖響を約10ヘクタール作付けし、同組合の26蔵が酒作りをする。新酒の販売は来年2~3月頃の見通し。