第108回全国高校野球選手権滋賀大会は23日、マイネットスタジアム皇子山で準決勝が行われ、八幡商が滋賀短大付との接戦を制し、2011年以来の決勝進出を果たした。彦根総合は春夏連続出場を狙った近江に逆転勝ちし、初の決勝に勝ち上がった。決勝は25日、同スタジアムで行われる。
八幡商 打線つながる
八幡商3―2滋賀短大付

八幡商は四回、二死一、二塁から辻井、河井の連続適時打で2点を奪い逆転。直後に追いつかれたものの、八回二死から加藤、山口の連続長短打で勝ち越した。投げては久保田、田上とつないで2失点に抑えた。
滋賀短大付は四回一死二、三塁から川崎のスクイズで先制。逆転された後の五回は峯の中前適時打で追いつく粘りを見せたが、以降は好機を生かせなかった。
八幡商の桑原主将「(入学後)決勝の舞台は初めてで、全員ワクワクしている。ノーシードで、挑戦者の気持ちでここまでやってきた。悔いなく力を出し切れるゲームにしたい」
彦根総合 攻守がっちり
彦根総合5―2近江

三回に野谷、中西の連続長短打で追いついた彦根総合は六回、ボークと暴投で2点を勝ち越し、七回には一死一、二塁から野谷が中前適時打を放ってリードを広げた。投げては荒井―橋本とつないで近江を4安打に抑えた。
近江は一回、吉田、馬場の連続長短打に杉浦の左前適時打で2点を先行したが、二回以降はわずか1安打。六回一死満塁の反撃機も併殺に終わって好機を逸した。
彦根総合の北山主将「(決勝は)守備で相手に隙を与えないことが勝負の分かれ道になる。厳しい試合になると思うが、自分たちが優勝することだけを信じて戦いたい」
10年ぶり4強導く
滋賀短大付3年 西村健吾投手

114球目。三振を奪いにいったチェンジアップが高めに浮いた。八回二死一塁、この日2安打を許していた相手3番打者は見逃してはくれなかった。左中間を深々と破る二塁打となり、勝ち越しの走者がホームを駆け抜けた。「自分の1球のミスで試合が決まってしまった」と失投を悔やみ、マウンドを降りた。
今春の選抜大会出場の滋賀学園にコールド勝ちした準々決勝は7回4失点。今大会3完投目となるエースの働きで、チームを10年ぶりの4強に導いた。
左腕から繰り出す直球は120キロ台前半だが、90キロ台のカーブを織り交ぜた緩急を効かせた投球で打者を
強烈な自負そのままに、強打者相手にも臆することなく内角を突き、低めに直球を決めて見逃し三振も奪った。「自分が投げないとあかん。チームを勝たせたい」。一球一球に「責任感」を込めていたエースの夏が終わった。(青山大起)
戦略切り替え初の決勝進出

立ち上がり、彦根総合の先発荒井(3年)は2人の打者への9球で先制点を許した。春の県大会準決勝でも近江と当たった。その時は、内角を強気に攻めて5回無失点に封じて勝利をたぐり寄せた。再現を狙った投球が裏目に出たが、捕手に「内角は諦めて外角に振ろう」と提案。外角に変化球を集めた二回以降は、六回に走者を許した以外は3人ずつで切って取った。
愛知県出身。2023年春、チームを初の甲子園に導いた宮崎監督の下で野球がしたくて彦根総合を選んだ。この日の素早い方針転換も、監督の「頭は冷静に」という言葉を思い出したからだ。初の決勝進出に導いた背番号1は「後ろに良い投手が控えてくれているおかげ」と謙虚。雪辱を期す相手打線を恩師の教えでかわし、初の頂点まであと一つとなった。