美しい銀色のうろことトロのような味わいから「琵琶湖の宝石」ともいわれるビワマス。県は今年度から、琵琶湖内のいけすで養殖する実証事業「湖中養殖推進プロジェクト」を本格的に始めた。ビワマスは陸上養殖されているが、需要に応えきれていないのが現状で、2028年度までに湖中養殖の技術を高め、33年度には商業ベースに乗せることを目指している。(生田ちひろ)
県、3年の実証事業開始
ビワマスは琵琶湖固有のサケ科の淡水魚。上質の脂が乗り、刺し身や塩焼き、煮付けなど様々な料理で楽しむことができる。

24年の漁獲量は約20トン、養殖生産量は約10トンだ。養殖事業者らでつくる「びわサーモン振興協議会」によると、県醒井
そんな中、西浅井漁協(長浜市)が琵琶湖で同じサケ科のアマゴの養殖に成功。それを聞いた県水産課の担当者らがビワマスの湖中養殖を思いついた。

昨春、同漁協に委託して、琵琶湖にいけす(縦横8メートル、深さ10メートル)を設けて養殖する試みを初めて実験的に実施。ビワマスは冷水を好み、天然魚は深い場所に生息するため、いけすで飼育できる時期を見極めたところ、6月初旬まで可能だった。そこで、水温が下がった昨年11月から幼魚約1000匹の養殖を開始。順調に生育したため、今年度から3年間の実証事業として取り組むことにした。28年度までに年間3トンの生産を目指す。
今月上旬には、昨秋の4倍近くとなる1匹あたり平均380グラムまで成長。5月下旬~6月初旬に取り上げ、その後、消費者や流通、小売業者らに味や色味、大きさなどを評価してもらう市場調査を行うことにしている。結果は、今秋からの養殖でエサや飼育期間などに反映させる。
現在の陸上養殖では、人工池の建造費や土地代、地下水をくみ上げるポンプを動かす電気代などが必要。湖中養殖が実現すれば、少ない経費で生産できるようになる。県水産課は「まずは6月初旬までに大きく成長するか見極めたい。ビワマスのニーズは高く、技術を確立すれば漁師らの新たな収入源にもなるはず」としている。