声かけ合い 溌溂プレー
グラウンドを雪が白く染めたHPLベースボールパーク(彦根市)の三塁側ベンチで、選手たちは中継画面に見入っていた。1月30日。6枠の近畿地区選抜出場校が次々と読み上げられていく。昨秋の近畿大会は8強止まり。4強の「当確」ではなく「有力」という前評判だっただけに、5校目で校名が告げられると、抱き合って喜んだ。

「この学年は苦しい戦いが続いてきた。喜びを力に変えよう!」と、就任1年目の小森博之監督(42)が声をかけた。県内最多、春夏通算24度の甲子園出場を誇りながら、24年春を最後に聖地から遠ざかる。
入学直後の1年春の県大会からベンチ入りする杉本将吾主将(3年)と吉田大翼副主将(3年)は、最上級生となってようやくつかんだ甲子園切符になる。埼玉西武ライオンズで活躍する山田陽翔投手(21)を擁して2022年春に準優勝、夏4強と甲子園を席巻した姿に憧れ、入学してきた世代だ。
だが、あと少しのところで夢破れた先輩たちを間近で見て「つらい、の一言だった」と吉田副主将。だからこそ、2人は「自分たちの代で必ず甲子園へ」との強い思いでチーム作りをしてきた。出場を逃した夏は練習試合の連戦が恒例。昨夏も、8月だけで約40試合をこなした。
1年秋から正捕手となった杉本主将は、この「夏の連戦」で、主将の重圧から調子を落とした。小森監督からは「捕手というものを分かっていない」と厳しい言葉もかけられた。監督自身、高校時代は主将で捕手として「三本の矢」と呼ばれた投手陣をリードし、01年夏の甲子園で県勢初の準優勝に導いた。扇の要の重要性を知るからこその
杉本主将が最も心がけるようになったのは「投手が追い込まれたら声をかけにいけ」という助言だったという。エースの上田健介投手(3年)の場合、ボールが続くとマウンドに駆け寄り「ちょっと力んでる」「大丈夫だから」と一呼吸おくようにすると、驚くほどストライクが取れるようになった。
「捕手のあるべき姿」を実感できたのは、昨秋の県大会初戦、彦根総合戦だった。一回、打者3人で抑え、初めて「こういうことか」と
この試合に、遊撃手の吉田副主将も手応えを感じていた。夏の連戦では失策が目立ったが、この日は無失策試合。夏以降、内外野のコミュニケーションを増やし、「もう少し前に出て守ろう」など、状況に合わせて修正を意識すると、近畿大会を含めた全7試合で2失策という数字に現れた。
小森監督は「監督も選手も全員が初めての甲子園」として、春のスローガンを「